アルコールを多量に飲むことは認知症になりやすいと考えられています。これはアルコールを大量に体内に摂取することにより、脳梗塞やビタミン不足などの問題が生じやすくなるためです。アルコールを多量に接種することによって引き起こされる認知症のことを「アルコール性認知症」と呼びます。
ウェルニケ・コルサコフ症候群は、ウェルニケ脳症とコルサコフ症候群を合わせた呼び名です。アルコールの多量接種によってビタミンB1が欠乏すると脳に多大の影響が及びます。そのため引き起こされる脳症のことをウェルニケ脳症と言います。ウェルニケ脳症は早期発見によって適切な治療を行うことが可能です。しかし、ウェルニケ脳症が進行したり後遺症が残ることがあり、その時に起きる病気をコルサコフ症候群と呼びます。コルサコフ症候群になってしまうと、治療して完治することはほぼ不可能になってしまいます。
コルサコフ症候群は、認知症のような症状が現われます。例えば、最近まで自分が行っていたことを忘れたり、どこで何をしていたのかを含めて自分の置かれている状況が把握できないといった症状が現われます。さらに失った記憶を補おうとして無意識に話を作ってつなげてしまうこともあります。本人的には全く意識していないため嘘をついているという認識もありません。
コルサコフ症候群に有効な治療法は今のところ発見されていません。そのため、前段階であるウェルニケ脳症の段階で早期発見することが重要になります。また、アルコールの多量接種がコルサコフ症候群を引き起こす要因ともなり得るので、お酒の飲みすぎに十分に注意することが必要です。